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企業のホームページをリニューアルしたり、新しく公開した後、「これでひと安心」と思っていませんか?
ホームページは公開した瞬間がスタートラインです。どれだけデザインやコンテンツを作り込んでも、その後の「運用」と「改善」ができなければ、成果にはつながりません。特に中小企業のWebサイトでは、更新が止まり、アクセスが減少してしまうケースも少なくありません。
しかし、継続的にデータを分析し、小さな改善を積み重ねることで、問い合わせ数や資料請求率を数倍に伸ばすことも可能です。
この記事では、ホームページ公開後に必ず行うべき5つの運用・改善施策を具体的に紹介します。
「作って終わり」にしないための実践ポイントを押さえ、自社サイトを“集客できる資産”に育てましょう。
なお、これからホームページを作る段階の方は、こちらの記事を参考にしてください。
目次
ホームページ公開後こそ「本当の運用」が始まる
なぜ多くの中小企業が“作って終わり”で失敗するのか
ホームページ制作には多くの時間とコストがかかります。そのため、公開後に「目的を達成した」と感じてしまいがちです。しかし、公開直後のサイトはまだ“未完成”の状態。ユーザーの行動データをもとに改善を重ねていくことで、初めて成果を生み出します。
更新を止めてしまうと、検索順位は下がり、訪問数も減少し、やがてサイトの価値は薄れていきます。つまり、運用を止める=成長を止めるということです。
成果を出す企業は「運用PDCA」を習慣化している
成果を出している企業の多くは、サイト公開後も「アクセス解析 → 改善 → 検証 → 再実行」のサイクルを継続しています。
- 月1回のアクセスレポートで課題を把握する
- 半年に1度デザインや導線を見直す
- 新しいコンテンツを定期的に追加する
といった小さな改善の積み重ねが、大きな成果につながります。
「運用」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずはこの記事で紹介する5つの施策から始めてみましょう。
運用・改善施策①|アクセス解析で現状を把握する

Googleアナリティクスで見るべき基本指標
ホームページ公開後、最も優先してチェックすべきツールがGoogleアナリティクス(GA4)です。
中小企業のサイト運用では、まず以下の4つを押さえておきましょう。
①ユーザー数・セッション数
どれくらいの人が訪れているかを把握できます。公開直後は少なくても問題なく、増減のトレンドを見ることが大切です。
②流入経路(オーガニック検索/SNS/広告/外部サイトなど)
どの集客チャネルに力を入れるべきか判断する材料になります。オーガニック流入が少ない場合はSEO、SNS流入が多い場合はSNS強化など施策が明確になります。
③人気ページ(上位ページ)
ユーザーがよく閲覧しているページ=「強みになりやすいページ」です。人気ページはCTA(問い合わせ導線)を強化すると成果につながりやすくなります。
④コンバージョン(問い合わせ・資料請求など)
どのページから問い合わせが発生しているか、どこで離脱しているかがわかり、改善点が明確になります。
これらを定期的に確認するだけで、優先して取り組むべき改善策が自然に見えてきます。
Googleサーチコンソールで検索キーワードを分析
流入を増やすために重要なのが、Googleサーチコンソールのデータです。特に以下の3つをチェックしましょう。
①表示回数(Impressions)
Google検索結果に「表示された回数」です。記事を増やしても表示回数が増えなければ、SEOがうまく働いていません。
②クリック数・CTR(クリック率)
表示されてもクリックされなければ意味がありません。CTRが低い場合は
- タイトル改善
- メタディスクリプションの改善
- 競合との差別化
などがが必要です。
③順位(平均掲載順位)
5〜20位あたりの記事は「改善すれば上位に上がりやすい」ので、最優先改善対象です。既存記事をリライトするだけで順位が大きく改善するケースもよくあります。
検索クエリを継続的に分析すると、「どんなニーズで集客できているか」が分かり、次に書くべき記事の方向性も明確になります。
どのページが成果につながっているかを見極める
アクセス数が多いページ=成果につながるページではありません。大切なのは“問い合わせにつながっているページ”を見つけることです。見るべきポイントは次の3つです。
①コンバージョンに貢献しているページ
GA4の「コンバージョン経路」や「参照元ページ」を見ると、問い合わせに至る前に訪問されるページ(アシストページ)が分かります。
②離脱が多いページ
ユーザーがどこで離脱しているかを見ることで、改善ポイントが明確になります。
- サービスページの離脱が多い → 訴求内容を改善
- 料金ページの離脱が多い → 内容が複雑 or 情報不足の可能性
③スクロール率などのエンゲージメント
ユーザーがどれくらい読み進めているかを確認することで、「冒頭で離脱しているのか」「下部まで読まれているのか」が分かります。
これらを組み合わせることで、改善すべきページ、強化すべきページが明確になり、サイト全体の成果を効率よく高めることができます。
運用・改善施策②|ユーザー行動をもとに導線を最適化する

ホームページの成果を高める上で最も重要なのが導線(ユーザーの動き方)です。アクセスが増えても、ユーザーが“どこで迷い、どこで離脱しているのか”が改善されなければ、問い合わせ数は増えません。
GA4やヒートマップツールを使うことで、ユーザーが実際にどのようにサイトを移動しているのかを把握でき、改善ポイントが明確になります。
以下の3つは「最も成果に直結しやすい導線改善」です。
離脱率が高いページは「導線設計」を見直す
離脱率が高いページは、ユーザーが「必要な情報にたどり着けない」または「この先に進む理由がない」という状態になっていることが多いです。
改善のポイントは次の通りです。
①次に読むべきページが分かるリンクを設置する
「詳しい制作の流れはこちら」「料金の目安を知りたい方はこちら」など、ユーザーの疑問に合わせて “次の一歩” を提示します。
②途中で離脱しないよう構成を工夫する
- スマホでスクロールが長すぎる
- 情報が整理されていない
- 専門用語が多く難しく感じられる
などが原因で離脱率が上がります。
③CTAが下にしかない問題を解消
特にスマホでは「一番下まで行かないと問い合わせができない」構造は致命的です。重要ページには、途中にもCTAを配置することで改善しやすくなります。
ボタンやリンクの配置でクリック率を改善
ユーザーが“次に何をすればいいか”が分かりやすいサイトは、クリック率・問い合わせ率が高くなります。
改善時に見るべきポイントは以下です。
①CTAの位置をファーストビュー付近にも配置
「問い合わせはこちら」がページ最下部だけだと、ユーザーの8割は気づきません。
②色・大きさ・余白で“押しやすさ”を作る
- 他の要素に埋もれて見えない
- テキストリンクが小さすぎて押しにくい
などはよくある改善ポイントです。
③内部リンクを“読み手の疑問”の直後に置く
例:「ホームページ制作の費用はどれくらいかかる?」
→ すぐ下に「料金の目安はこちら」リンク
こうした“自然な誘導”は、ストレスなく次のページへ進ませる重要な方法です。
成約ページ(問い合わせ・資料請求)への誘導を明確に
導線改善の最終ゴールは、成約ページへの流れを強化することです。
よくある失敗は「どこから問い合わせればいいか分からない」>という状態を放置してしまうことです。
改善のポイントは次の通りです。
①CTAをページ内に複数設置
特に長文記事や縦長ページでは、上部・中段・下部などに複数配置すると、自然にクリックされやすくなります。
②問い合わせページのUIを改善
- 入力項目を減らす
- スマホで入力しやすい構成
- 説明文を増やして安心感を持たせる
など、「送信するハードルを下げる」ことが成果向上につながります。
③お客様の声や制作実績を近くに置く
信頼性を補強する要素(事例・レビュー)は、CTAの近くに置くと効果が高まります。
運用・改善施策③|定期的にコンテンツを追加・更新する

ホームページは「更新し続けることで価値が積み上がる」資産型のメディアです。新しい情報を定期的に追加することで検索からの評価が向上し、ユーザーにとっても“今も動いている会社”という安心感につながります。
特に中小企業のホームページでは、更新頻度の低さが信頼低下の原因になりがちです。以下の3つは、成果を出すサイト運用で必ず押さえておきたいコンテンツ改善ポイントです。
新着情報・ブログ更新がSEOにも有効
サイト内で更新しやすいのが新着情報とブログ記事です。これらの更新は、検索エンジンにもユーザーにもプラスの効果があります。
SEOで評価されやすくなる
Googleは“定期的に更新されているサイト”を評価します。特に以下のような更新は効果的です。
- 専門性のある記事(業界知識、制作のポイント、よくある質問)
- お知らせ(イベント、メディア掲載、サービス更新)
- 社内活動の発信(信頼性の補強になる)
まったく更新されていないサイトは、「運営されていない」「情報が古い」と判断され、検索順位が下がりやすくなります。
見込み客に“動いている会社”と伝わる
特にBtoBでは、制作会社や業者を選ぶ際に、「新着情報が1年前のまま止まっている」これだけで問い合わせを避ける企業も多いです。
更新の目安は月1〜2本。少なくてもいいので、長く続けることが一番の効果につながります。
実績・事例ページを増やして信頼性を高める
中小企業のホームページで最も問い合わせにつながりやすいのが 実績(制作事例) です。ユーザーは制作会社を選ぶときに、
- 自分たちの業界にも対応できるのか
- どんな仕上がりになるのか
を最も気にしています。
事例ページはコンテンツ量が多くSEO向き
事例は自然と情報量が多くなるため、
- 課題
- 解決方法
- デザインのポイント
- 実装した機能
- お客様の声
などを書くだけで、質の高いSEOコンテンツになります。
古い実績しかないと信頼が落ちる
「3年前の事例が最後」では、“最近仕事をしていない会社”のように見えてしまいます。可能であれば月1件の追加を目標にしましょう。
古い情報や画像をリニューアルして鮮度を保つ
新しい記事を増やすだけでなく、既存ページの更新も検索・信頼性の両面で大きな効果があります。
情報や数字が古いと信頼を失う
- 3年前の料金表のまま
- 現在のサービスと内容が違う
- 古い画像・デザインのまま
これらはユーザーに不安を与え、コンバージョン率低下の原因になります。
既存ページの“上書き改善”はSEO効果が高い
Googleは「既存ページの更新」をよく評価します。
- より最新の情報に書き換える
- 画像を高品質なものに差し替える
- 見出しや構成を読みやすく整理する
- CTAを改善して問い合わせにつなげる
実は新規記事を追加するより、既存ページの改善のほうが順位アップにつながりやすいことも多いです。
定期的な棚卸しでサイト全体の品質を維持
半年に1回くらい、以下をチェックすると◎です。
- 情報が古くなっていないか
- デザインが時代遅れになっていないか
- 壊れているリンクはないか
- メインビジュアルが今の事業内容に合っているか
この“サイトの鮮度チェック”だけでも、第一印象や検索評価が大きく改善します。
運用・改善施策④|デザイン・UIを改善して滞在時間を伸ばす

第一印象を左右するファーストビューの改善
ホームページで最も重要なのは、アクセスした瞬間にユーザーが受け取る「第一印象」です。ファーストビューが分かりにくかったり、内容が伝わらなければ、ユーザーは数秒で離脱してしまいます。そのため、
- 何を提供している会社なのか
- どんな価値があるのか
- 次に何をしてほしいのか(CTA)
を一目で伝える構成にすることが重要です。特にスマホでは視認性が下がりやすいため、テキスト量やレイアウトの工夫も欠かせません。
CTA(行動喚起)の見せ方を見直す
訪問者は必ずしも「問い合わせる気満々」でアクセスしているわけではありません。行動を促すには、適切な位置・サイズ・デザインのCTAが欠かせません。よくある改善ポイントとしては、
- ファーストビューに主要 CTA(問い合わせ・資料請求)を配置
- 各セクション下に応じた CTA を追加
- ボタンカラーをトーンの違う色にして視認性を上げる
などがあります。「押しやすいデザイン」かどうかではなく、「ユーザーが自然に押したくなる状態か」が重要です。
見やすさ・読みやすさで離脱を防ぐ
デザインは「見た目を整えること」だけではなく、「読みやすい」「理解しやすい」状態を作ることが本質です。フォントサイズ、行間、段落、余白、画像のバランスが悪いだけでも離脱率が上がるため、以下を改善するだけで成果が変わるケースは多くあります。
- スマホ表示でフォントが小さすぎないか
- 画像とテキストのバランスが適切か
- セクションごとにメリハリがついているか
- スクロールしたくなる流れになっているか
特にデザイン面の詳細なポイントは、以下の記事をご覧ください。
運用・改善施策⑤|成果目標を設定し、改善サイクルを回す

「アクセス数」より「問い合わせ率」を重視する
ホームページ運用では「PVが増えたかどうか」に注目しがちですが、本来もっと重要なのは問い合わせ率(CVR)です。アクセス数が少なくても、問い合わせ率が高ければ「成果が出ているサイト」と言えます。そのため、以下のような指標を優先的に追いかけることをおすすめします。
- 問い合わせ率(問い合わせ数 ÷ アクセス数)
- どのページから問い合わせが発生したか
- どの導線が最も成果につながっているか
数字の見方を変えるだけで、やるべき改善ポイントが明確になります。
改善施策を1つずつ検証する
成果を伸ばしたいからといって、一度に多くの改善を行うと「どれが効果を出したのか」が分からなくなります。そこで重要なのが、“1施策ずつ丁寧に検証する”という運用姿勢です。例えば、
- CTAボタンの色を変更する
- ファーストビューのキャッチコピーを変える
- 事例ページを3件追加する
といった小さな改善でも問題ありません。1つ変える → 計測する → 良ければ次の施策へこのシンプルな改善サイクルを回すことで、確実に成果が積み上がっていきます。
社内で運用ルール・役割を決める
ホームページ運用で成果が出ない最大の原因の1つは、「誰が何をやるのか決まっていない」ことです。更新担当が曖昧になると、記事更新も改善も遅れ、効果が出る前に運用が止まってしまいます。以下のように役割を明確化することで、改善が継続しやすくなります。
- 数値分析担当
- 記事作成・情報更新担当
- デザイン改善・クリエイティブ担当
- 全体管理・運用計画担当
「更新できる体制があるかどうか」が、成果を左右する最重要ポイントと言っても過言ではありません。
まとめ|公開後の運用こそが成果を伸ばす最大のポイント
ホームページは「公開して終わり」ではありません。アクセス解析で現状を把握し、ユーザーの行動を読み解き、必要な改善を続けることで、初めて成果が積み上がっていきます。特に、
- 導線設計の見直し
- デザイン・UI改善
- 定期的なコンテンツ更新
- CVR(問い合わせ率)を重視した運用
- 1つずつ検証しながら改善サイクルを回す
といった継続的な取り組みが、問い合わせ数の増加やビジネス成長につながる重要な要素です。
もし「どこから手を付けていいか分からない」「改善しても成果につながらない」と感じている場合は、プロに相談することで大きく前進できます。
もちろん弊社でもこれらすべてサポートしているので、気になった方はお気軽にお問い合わせください。

